社会保険労務士法人fulfill 訪問記 ~代表・中田圭子先生に聞く~
社会保険労務士法人fulfill 訪問記 ~代表・中田圭子先生に聞く~
報告者:佐藤 竜一(弁護士)
令和8年(2026年)5月26日、知恵の和会のメンバー(平井真税理士、豊田孝二公認会計士・弁護士、吉田孝信土地家屋調査士、重森貴弘ミレニアムダイニング代表取締役、そして私、佐藤竜一弁護士)に、ゲストの一石悠伍司法修習生を加えた合計6名で、社会保険労務士法人fulfillを訪問いたしました。 今回は、代表社員である社会保険労務士の中田圭子さんに、これまでのご経歴や仕事に対する思い、そして今後の展望についてたっぷりとお話を伺いました。

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■ 社会保険労務士になる前の環境
中田さんが就職された当時は、まだ男女雇用機会均等法ができる前でした。女性は結婚したら家庭に入るのが当たり前とされ、キャリアを形成していくことが非常に難しい時代だったそうです。 ご自身も結婚、出産、そして離婚をご経験されながら、住宅販売会社の経理や営業、スーパーでのパートリーダーなど、様々な職種や雇用形態で働いてこられました。当時のパート先では、「開いている時間に働くのがパート」と言われるような環境だったといいます。さらに、阪神・淡路大震災での被災や親御様の介護など、人生のどん底とも言える大変な困難にも直面されました。
■ 社労士試験を受けるきっかけ
様々な困難の中で、「仕事をする自分の価値を上げたい」という強い思いが芽生えたことが、大きな原動力になったそうです。「片手間」と言われることへの悔しさもありました。 そんな折、以前お勤めだった住宅販売会社の上司から「あなたは人馴染み力があるから、社労士に向いている」と言われたことを思い出されます。当時は社労士という仕事について全く知らなかったそうですが、ある日たまたま新聞で社労士の専門学校の広告を目にし、一念発起して受講を決断されました。
■ 受験勉強はどのように行ったか
宝塚にお住まいだった中田さんは、大阪・梅田の専門学校に通って勉強をスタートさせました。 また、パソコンのインストラクター資格を取ろうとしていた際、偶然にも税理士事務所から「パソコンができて社労士の勉強をしている人が欲しい」と声をかけられます。こうして、税理士事務所で働きながら実務にも触れつつ、受験勉強を続けるという環境を自ら切り拓いていかれました。
■ 試験に合格した後の経過
平成15年に見事試験に合格し、翌年にお世話になっていた税理士事務所内で独立開業を果たされます。 開業当初は仕事がなく、どうしていいか分からない時期もあったそうですが、「根性と負けん気」で乗り越えられました。また、大きな転機となったのは、同姓同名の人事担当者と間違われて案内が届いた「人事制度やコンピテンシーに関する勉強会(3号業務の勉強会)」に参加したことでした。そこで飛び交う専門用語に必死に食らいつき、猛勉強を重ねたことが今の自信に繋がっているそうです。 さらに、お酒の席などを通じて経営者の方々と積極的に関わり、経営者の孤独に寄り添いながら信頼関係を築いていかれました。
■ 仕事をする上で大切にしていること
中田さんが最も大切にされているのは、経営者が口にする表面的な要望(Wants)にとらわれず、企業が本当に求めている真の課題(Needs)を解決することです。 例えば、単に社会保険料や人件費を下げることだけを目的とするのではなく、「社員のモチベーションを上げて会社を伸ばしていくためにはどうすればいいか」という本質的なニーズに向き合い、そのための制度作りを提案することを信条とされています。 また、「諦めない」「断らない」というモットーを持ち、お客様からの評価や信用を何よりの価値と考えておられます。
■ 今後について
現在は、大阪の社会保険労務士会や全国社会保険労務士会連合会の副会長といった数多くの公職も務められており、全国を飛び回る多忙な日々を送られています。 ご自身の事務所については、これから5年ほどかけて他の事務所との合流・統合を進めていく構想をお持ちとのことです。方針を擦り合わせながら段階的に体制を整え、ご自身の後進へとしっかりとバトンを引き継いでいく準備を進められています。
【訪問を終えて】
中田先生の「どん底から這い上がってきた根性」と「人とのご縁を大切にするお人柄」、そして経営者の真のニーズを見抜くプロフェッショナルとしての確固たる信念に、参加者一同、大いに刺激を受けました。 インタビュー後は天満の居酒屋へと場所を移し、お酒の場でのコミュニケーションの実践も含め、さらに深いお話を伺うことができました。中田さん、お忙しい中本当にありがとうございました。